技術と技能を磨いた
ツボエ、百十五年の歩み
初代 笠原恒太郎
二代目 笠原英一
三代目 笠原英司
四代目 笠原伸司
明治末期から令和の時代へ。初代から四代へと117年にわたって続くものづくりには、燕市が金物・洋食器の町として発展した地場産業の歴史が色濃く残ります。
明治40年、初代笠原恒太郎が始めたヤスリの製造が当社の原点です。手作業から機械生産に、少量から量産に、そしてヤスリからおろし金へ。さまざまな時代の流れに沿いながら、仕事の道具から家庭における生活道具としての広まりを見せ、技術の継承と革新に取り組んできました。
今ある技術に留まることなく、ものづくりの本質を見定めながら、製品づくりのさらなる探究に励みます。
1907年
創業
明治40年(1907年)
初代 笠原恒太郎が、燕市で盛んに行われていたヤスリの製造を始める。
昭和3年6月(1928年)
初代 笠原恒太郎が若くして死去(享年48才)。恒太郎の子どもで、後の二代目となる英一・幸二の兄弟は、縁戚で笠原家の本家である小国屋(田中家)に引き取られる。まだ高校生だった英一だが、父・恒太郎の工場を「小国屋鑢工場」として再編。弟・幸二と共にヤスリ製造を続ける。この頃のヤスリの製造は、すでに機械化が主流になりつつあった。
昭和15年頃(1940年代)
二代目 笠原英一が「笠原鑢製作所」から社名変更し、「壺エ鑢製作所」を設立。
昭和36年(1961年)
二代目 笠原英一の長男、笠原英司が家業に加わる。ヤスリの製造に欠かせない道具も日に日に進化し、必要な治具は自ら手作りした。
昭和51年(1976年)
商社からの依頼により建築工事用特殊ヤスリの製造依頼を受け、開発に着手。翌年販売を開始。のちに累計150万本を超えるヒット商品となった。また時を同じく、昭和52年頃(1977年頃)建築材料として石膏ボードの需要が拡大したことを受け、石膏ボード専用の目詰まりしないボードヤスリ「メントリー」を開発、製造・販売。こちらも累計150万本超えるヒット商品となり、現在も販売を継続中。この頃から三代目笠原英司はヤスリの製造技術を生かした特殊なヤスリを多品種、少数ロットにて請け負い、試作を通してヤスリの道具としての可能性を見出していく。これがおろし金の製造の原点となった。
昭和54年(1979年)
三代目 笠原英司が「壺エ鑢製作所」から「ツボエ鑢製作所」に社名変更。
昭和55年(1980年)
三代目 笠原英司が木柄を付けたヤスリを開発し、製造・販売。これまでヤスリはヤスリ工場、持ち手となる柄の部分は販売店でつけ外しを行なって販売していたため、ヤスリの製造会社が柄の部分も付けて一貫して製造するスタイルは画期的とされ、受注数増加にもつながった。
昭和58年10月(1983年)
二代目 英一の死去後、三代目 笠原英司が「ツボエ鑢製作所」の代表に就任。
昭和59年(1984年)
「ツボエ鑢製作所」から「有限会社ツボエ製作所」に組織変更。
平成5年(1993年)3月
「有限会社ツボエ製作所」から「株式会社ツボエ」に組織変更。
平成5年(1993年)5月
三代目 笠原英司の長男、笠原伸司(現・四代目)が入社。
ステンレス製、銅製、硬質アルミ合金製に加え、これまで素材として扱ってこなかった難加工材のチタンの「おろし金」の製造もスタート。
この他、大型の業務用フードプロセッサーのオロシプレート、特殊機械のおろし刃部分の設計・製造も始める。この頃から「本目立て」の技術の継承と適用範囲拡大に向けて取り組み、手作業による本目立ての精度を機械化で再現することに成功。一般家庭用から業務用機器までおろし金の使用域を広げていった。
平成22年(2010年)7月
三代目 笠原英司が代表取締役会長に就任。
四代目 笠原伸司が株式会社ツボエ代表取締役社長に就任。
平成29年(2017年)12月
株式会社ツボエのロゴをリニューアル。
令和元年(2019年)11月
極上シリーズの第一弾となる「ツボエの極上おろし金 箱-hako-」を販売開始。これまでの技術を集結させたともいえる製品は、メディアなどでも数多く紹介され、ツボエの看板商品となる。
令和2年(2020年)10月
まるで手のひらでおろしているような新感覚のカラフルおろし金「irogami -piece of grater ひとひらのおろし金」を販売開始。
令和3年(2021年)1月
機能性とシンプルなデザインを重視した、極上シリーズの姉妹ブランド「ツボエのSHIRO」シリーズを販売開始。おろし金専用スポンジ、薬味おろし金、おろし金用国産竹やくみ寄せなど順次販売。
令和3年(2021年)2月
四代目 笠原伸司が「にいがた県央マイスター」に認定。県央地域の「ものづくり」に関わる高度熟練技能者として、「本目立て技術(おろし金製造)」の認定称号を受ける。
令和3年(2021年)3月
女性が輝いて活躍しやすい環境づくりを進める企業を表彰する「つばめ輝く女性応援賞」 を受賞。
令和3年(2021年)7月
「ツボエの極上おろし金」シリーズ品として、8方向(デュアルクワトロ)刃を採用した山葵のための「ツボエの極上おろし金 丸皿-maruzara-」、 生姜のための「ツボエの極上おろし金 角皿-kakuzara-」を販売開始。